アルミニウム二次合金
当社で製造しているアルミニウム二次合金地金は、主に砂型鋳造に使用される「鋳造用アルミニウム合金です。アルミニウムは、珪素(Si)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)などの金属元素を添加することにより、鋳造性、耐食性、強度などの性能が向上する金属です。反対に、規格で定められた範囲を超えて金属元素を添加すると性能が低下します。
アルミニウム二次合金地金の化学成分は、JIS規格により管理されており、主原料であるアルミニウム地金とアルミニウムスクラップに必要となる金属元素を規格に定められた範囲で配合添加、鋳造し、鋳塊にします。当社では、JIS規格範囲内で化学成分を微調整し、お客様の求める特性やスペックに合わせたアルミニウム二次合金地金を提供しています。
アルミニウム母合金
アルミニウムは金属元素を添加することにより、鋳造性、耐食性、強度などの性能が向上する金属であることから、自動車、鉄道車両、半導体装置、住宅など様々な分野で使用されています。アルミニウムに必要な金属元素を純金属として添加すると、蒸発、酸化などで規格に必要な濃度にならない、またアルミニウムより融点が高い純金属は直接添加ができないなどの問題があります。その問題を解決するのが「母合金」です。アルミニウム母合金は、合金添加用として必要となる金属元素をあらかじめ添加した合金です。中間合金、マスターアロイなどとも呼ばれています。
近年は、アルミニウムに必要な金属元素を純金属として単体で添加する方法も使われていますが、最終的な成分調整に当社のアルミニウム母合金は必要不可欠な存在となっています。アルミニウムの融点は660℃ですが、必要となる金属元素(添加金属)の中には660℃の2倍以上の融点のものもあります。これまでに蓄積したノウハウで、納入先様のご要望にあった母合金を提供しております。
取扱母合金一覧
品名 | 成分(%) | |||||
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Al-Mg | 10% | |||||
Al-Si | 2% | 10% | 13% | 20% | 25% | 30% |
Al-Ca | 5% | 10% | ||||
Al-Ti | 5% | 10% | ||||
AI-Ti-B | ||||||
AI-V | 5% | 10% | 50% | |||
Al-Cr | 5% | 10% | 18% | |||
Al-Mn | 10% | 12% | ||||
Al-Fe | 2% | 5% | 10% | |||
Al-Ni | 10% | 30% | ||||
Al-Cu | 7% | 30% | 32% | 40% | 45% | |
Al-Zn | 3% | |||||
Al-Sr | 10% | |||||
Al-Zr | 5% | |||||
Al-Sb | 10% | |||||
Al-Pb | 0.1% |
<保有溶解炉>
10トン炉(リジェネバーナー反射炉)×1基
15トン炉(リジェネバーナー反射炉)×1基
製造工程Manufacturing process
原料は、アルミ新塊やアルミスクラップ、添加金属になります。
仕入先は国内外あり、規格や納入期限や相場など、いろいろな事を考慮して間違いのない仕入先を選定します。原料と製品の在庫や注文状況を確認しながら仕入れます。
母合金は、高温度や高品質の製品規格が多いため、オペレーター中心に温度管理や作業手順に従って、安全に作業を行っています。また、平成25年より燃料を重油からガスに変更し、リジェネーションバーナーを導入して、エネルギー使用量削減によるCO2の排出削減を行ったり、令和2年に工場内照明をLEDに変更して、環境保全のためのエコ活動にも力を入れています。
金属添加作業は重要な工程の一つで、添加前に重量が合っているかの確認や、金属が安全な状態かを確認し、投入前の溶湯を分析してから決められた投入温度にて、安全で確実な金属添加作業を行っています。
溶湯処理作業も大事な工程で、適切な温度やフラックスの量、撹拌など一番オペレーターが気を使って作業を行う工程の一つです。鋳造中は温度管理や重量と製品の見た目が良くなるように心がけています。
分析装置は、信頼のおける国内メーカーの物を使用して、年次点検などメンテナンスもしっかりと行い、全項目の規格全てが規格内に入っているか、金属添加前、金属添加後、鋳込みの前半、中、後半の全てにおいて、品質チェックしています。
基準の重量やマーキングなど、チェックして荷姿の基準に合格したものを出荷します。複数のチェック体制で検査しています。